柏原市域の歴史

2015年5月8日 (文化財課)

 柏原の市域で人々が生活を始めたのは、今から約2万年前のことだと考えられます。市域内からは、旧石器を始め、縄文土器や弥生土器などが多数出土しています。

 大和川と石川の合流点を中心とする一帯は、わが国でも有数の古墳の密集地で、市域内にも古墳時代前期(4世紀頃)の松岳山古墳(国史跡) 群や玉手山古墳群、後期から終末期(6~7世紀)の平尾山古墳群など、多数の古墳が残されています。古墳の数は、市町村としては全国一の規模です。そし て、6~7世紀ごろに造られた、高井田横穴群(国史跡)と安福寺横穴群(府史跡)があります。特に高井田横穴群の線刻壁画は全国的に有名です。市域内からは、国宝に指定されている墓誌や、国の重要文化財に指定されている三角縁神獣鏡などが出土しています。

 飛鳥・奈良時代ごろ(7~8世紀)には、シルクロードの東の終点ともいわれる奈良の都への玄関口として栄えました。この当時の柏原市域は、全国有数の寺院密集地で、河内国(かわちのくに)の国分寺や国分尼寺なども市域内にありました。特に堅下地区、東山(市の東部に広がる山間部の通称)の山すそに沿って甍(いらか)を並べた六つの寺院、いわゆる河内六寺のうちの一つ、智識寺にあった大仏が、聖武天皇による奈良・東大寺の大仏建立のきっかけに なったことは、よく知られています。また、平成24年(2012)1月、寺跡が新たに国の史跡に指定された鳥坂寺も河内六寺の一つです。当時、孝謙天皇ら が巡拝しています。田辺地区にある田辺廃寺(国史跡)は、応神天皇陵にまつわる埴輪馬伝説で知られる、田辺史伯孫(たなべふひとはくそん)ら田辺氏の氏寺だと考えられています。

 大和川が渓谷を刻み、竜田越えの古道が通る、市域内、亀の瀬のあたりは、古くから景勝の地だったようで、万葉集や古今集、新古今集などに多数の歌が残されています。亀の瀬あたりの大和川の流れを、かつては「龍田川」(「立田川」「たつた川」)と呼んでいました。万葉集や古今集などの竜田越えや竜田川を題材にした歌は、多くが亀の瀬あたりで詠まれたものだと考えられます。

 奈良盆地から大阪平野への出入り口に位置する柏原の地は、戦略的にも重要な場所で、慶長20年(1615)に大坂夏の陣の戦端が開かれたのも、この地においてでした。市域内、玉手山の一帯が、その古戦場で、市立玉手山公園内やその周辺には、ここで討ち死にした豊臣方の武将・後藤又兵衛基次の碑や徳川方の武将・奥田三郎右衛門らの墓、両軍戦死者の供養塔などが残されています。

 また、玉手山の一帯は古くからの景勝地で、江戸時代には、小林一茶がこの地を訪れ俳句を詠んでいます。現在、市立玉手山公園内に、一茶の 句碑が建てられています。玉手山は、古墳群、古戦場、俳諧と、3つの要素を持つ地なのです。ちなみに「玉手山」というのは、元はその地にある安福寺の山号 です。安福寺には、尾張徳川家第2代・徳川光友の廟所があるほか、寺宝の硯箱(すずりばこ)などが国の重要文化財に指定されています。

 江戸時代、宝永元年(1704)には、慢性的な洪水の被害をなくすため、それまで大阪平野に入ったあと北に向かって流れ、淀川と合流していた大和川を、直接、西の方、堺の海へ流すという大土木工事、大和川の付け替えが、 柏原の地を起点にして行われました。この工事の完成により、洪水の危険が減少しただけでなく、産業が大いに発展し、その後の経済的発展の基盤が築かれまし た。元の川筋を開発して、綿花が栽培されました。明治以降、外国産の綿花に押されて衰退するまで、「河内木綿」は全国ブランドだったようです。
 また、江戸時代には、舟による運送業も行われており、「柏原船」や「国分船」が運行していました。今町の三田家は、柏原船に関連した商家で、建物などが国の重要文化財に指定されています。
 なお、柏原市域は、江戸時代を通じて大部分が幕府領(一部旗本領)でした。

 明治以降は、ぶどう栽培が盛んに行われ、昭和初期には全国一の産地となったこともありました。ワインの醸造も大正のころから行われています。大和川の伏流水を利用して、さらし木綿(木綿の白布)の染色業も発展しました。

 柏原が、市として新しいスタートを切ったのは、昭和33年(1958)10月1日のことでした。当時の人口は、約3万4,000人。大阪府内では、25番目の市でした。

 その後、柏原市は、文化、住宅、産業のまちとして成長を続け、平成23年度(2011)からは、平成32年度(2020)までの10年間を計画期間とす る第4次総合計画に基づき、「市民が活きいきとし にぎわいにあふれているまち 柏原」を目指し、「自然と歴史を活かした個性あるまちづくり」を進めてい ます。

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