田辺古墓群

2017年10月8日 (文化財課)

 田辺古墳群の西方約40メートルに位置する田辺古墓群は、田辺古墳群から継続する古墓群と考えられます。調査では9基の古墓が検出されていますが、このうち骨蔵器を伴うものは8号墓と9号墓の2つです。田辺古墓群は8世紀前葉から後葉頃にかけての古墓群と考えられています。

田辺全体図
田辺古墓群全体図

火葬墓と火葬遺構

1~6号墓 炭や灰、木棺に使用した釘などを火葬地から持ち込んで小さい穴に埋めたと考えられ、これらは「火葬墓に伴う儀礼的な土坑」の可能性があります。

7号墓 幅70cmの長方形状で、壁面が焼けていることから火葬遺構のようです。ここからは、焼骨や木炭とともに銅製の帯留金具、釘などが出土しており、木棺に納めたままで火葬し、そのあとを整理したものと思われます。

8号墓 土坑内に28cm四方の塼(せん)を4枚敷き並べ、木櫃(ひつ)もしくは布袋のようなものに入れた火葬骨をその中央に置き、その脇に11枚の和同開珎銅銭を重ねていたようです。

田辺和同開珎
骨蔵器から見つかった銭貨

 それらを覆うように、口縁直径56cmの須恵器甕を被せていました。これと同様の須恵器の甕を天地逆に置く例が、岡山県でも見つかっています。

8号墓
8号墓骨蔵器

田辺8号墓骨蔵器

田辺8号墳骨蔵器跡
8号墓(下は骨蔵器を取りはずした状況)

8号墓実測図
8号墓遺構図

9号墓 直径50cmの円形土坑で、1枚の平瓦の上に須恵器有蓋短頸壺の骨蔵器を置き、その周囲を9枚の平瓦で2~3重に囲んでいます。平瓦は、いずれも一枚作りで、破損したものを使用しています。こちらは柏原市域で例の少ない、外槨施設を持つ火葬墓として注目されています。

※外槨施設…墓室内部の棺を保護する外箱、囲い、くるむ部分を「槨」といい、柏原市域内の火葬墓では自然石や平瓦で骨蔵器を囲んでいます。また、墓坑の底に石や塼、瓦を敷いているものもあります。

9号墓

田辺9号墓
9号墓(下は半分に断ち割った状況)

田辺9号墓実測図
9号墓遺構図

 

田辺9号墓平瓦
9号墓の骨蔵器を囲んでいた平瓦

被葬者について

 8号墓に使用されていた塼(せん)は田辺廃寺東塔に使用されていた塼と同じものであり、9号墓に使用されていた平瓦は、田辺廃寺出土のものと同じ特徴を示しています。これらの事実から、火葬墓の被葬者は、それに先立って営まれた田辺古墳群とともに、田辺廃寺を創建した田辺史(たなべのふひと)氏の有力者ではないかと考えられます。

田辺8号墓せん9号墓平瓦2
8号墓に敷かれていた塼(左)と9号墓に使用されていた平瓦(右)

※このページ内の図は、いずれも『柏原市教育委員会「田辺古墳群」1987』より出典しています。

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