子宮頸がん予防ワクチンの定期接種について
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)は、平成25年4月1日に定期接種となりましたが、同年6月14日、厚生労働省の専門部会において、子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告について審議が行われた結果、適切な情報提供ができるまでの間、子宮頸がん予防ワクチンの定期接種についての積極的勧奨は行わないよう、厚生労働省から通知があり、定期接種の対象者及び保護者への積極的な勧奨を差し控えていました。
しかし、子宮頸がん予防ワクチン接種に生じた多様な症状と子宮頸がん予防ワクチンとの因果関係を示唆する質の高い新しいエビデンスが報告されておらず、予防接種の効果が副反応のリスクを上回ると認められたことから、令和3年11月26日の厚生労働省からの通知により積極的勧奨を再開しています。
接種を希望される方は、厚生労働省発行のリーフレット等をご確認いただき、子宮頸がん予防ワクチン接種の有効性及び安全性等について、十分理解していただいた上で接種してください。
※令和5年4月1日より9価ワクチン(シルガード9)が定期接種化されました。
※キャッチアップ世代の方の接種について
令和3年12月28日付の厚生労働省からの通知により、積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方:平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれ(キャッチアップ世代)の女性は、令和7年3月31日までの間、無料で接種できるようになりました。キャッチアップ世代の方の接種について詳しくはこちらのページをご確認ください。
予防接種の効果について
- 子宮頸がんは、日本で毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、約2,900人の女性が亡くなっています。20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)方も約1,000人います。
- 子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんで、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因と考えられています。
- 子宮頸がん予防ワクチンはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防します。また、子宮頸がんを予防する効果があることも分かってきています。定期接種で受けられる子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。9価ワクチン(シルガード9)は、子宮頸がんの原因の80~90%を占める、7種類を含む9種類のHPVの感染を予防することができます。
- 子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となるすべてのHPVに予防効果があるわけではないため、ワクチン接種をした方も20歳になったら、2年に1度の子宮頸がん検診をお勧めします。
参考文献 Lei J et al New Engl J Med 2020;383:1340-8
2020年に行われたスウェーデンでの国家規模調査結果
接種対象者
- 小学校6年生~高校1年生相当年齢の女性(標準的な接種期間は、中学校1年生)
- 平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女子(※令和7年3月31日まで)
ワクチンの種類・接種方法
子宮頸がんの発症の原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染症を防ぐことができる定期予防接種に使用されるワクチンは、3種類(サーバリックス、ガーダシル、シルガード9)あります。
サーバリックス(2価ワクチン)とガーダシル(4価ワクチン)は、子宮頸がんを予防する効果は同じで、どちらも合計3回接種する必要があります。9価ワクチン(シルガード9)は1回目接種時点の年齢や接種間隔によって接種回数が変わります。
※原則、いずれかの種類のワクチンを使用し、同じワクチンで接種完了するようにしてください。2価ワクチンと9価ワクチン、4価ワクチンと9価ワクチン交互接種可能です(キャッチアップ接種も含みます)。その場合、接種間隔は9価ワクチンの3回接種に合わせてください。ただし、2価ワクチンと4価ワクチンの交互接種は今後もできません。
※妊娠中もしくは、妊娠している可能性がある場合は、原則、接種できません。
〇サーバリックス(2価):がん化しやすいHPV16型・18型の感染を予防します
【標準的な接種方法】
1回目接種 ⇒ 1か月あけて2回目接種 ⇒ 1回目から6か月あけて3回目接種
〇ガーダシル(4価):HPV16型・18型に加え、HPV6型・11型の感染とそれによる尖圭(せんけい)コンジローマも予防します
【標準的な接種方法】
1回目接種 ⇒ 2か月あけて2回目接種 ⇒ 1回目から6か月あけて3回目接種
〇シルガード9(9価):HPV6型・11型・16型・18型に加え、HPV31型、33型、45型、52型、58型の感染とそれによる尖圭(せんけい)コンジローマも予防します。
<1回目接種時点で15歳未満の場合>
【標準的な接種間隔】
1回目接種⇒6か月あけて2回目接種(※原則、2回接種)
<1回目接種時点で15歳以上の場合>
【標準的な接種間隔】
1回目接種⇒2か月あけて2回目接種⇒1回目から6か月あけて3回目接種(3回接種)
接種当日の持ち物
・接種の際には、必ず母子健康手帳、本人確認書類(健康保険証、マイナンバーカードなど)を持参してください。
(予防接種予診票は、市内の実施医療機関にあります。)
接種場所
市内実施医療機関で接種してください。(事前に予約が必要な場合があります)
接種時の留意事項について
- 接種当日は、普段と体調が変わりないか確認してください。※37.5℃以上の明らかな発熱がある場合は接種できません。
- 予防接種を受けるにあたって、16歳未満の接種者は保護者同伴で接種してください(注1)。接種者が16歳以上の場合は、保護者の同伴は不要です。
(注1)接種者が13歳以上16歳未満の場合で、やむを得ず保護者が同伴出来ない場合について
事前に保護者が予防接種について十分に理解のもと、予診票および同意書に署名することにより、保護者の同伴なく接種することが可能です。接種当日に必ず保護者が署名した予診票および同意書を接種者に持参させてください(同意書はこちらからダウンロードしてください)
<新型コロナワクチンとの接種間隔について>
新型コロナウイルスワクチンを接種する場合は、新型コロナワクチンの接種の前後13日以上の間隔をあけて接種してください。
予防接種の副反応ついて
- 痛みや緊張等によって接種直後に一時的に失神や立ちくらみ等が生じることがあります。接種後30分程度は安静にしてください。
- 子宮頸がん予防ワクチンは、筋肉注射であり、接種を受けた部分の痛みや腫れ、赤みなどの症状が起こることがあります。
- 接種後に気になる症状や体調の変化が現れたら、まずは接種を行った医療機関などの医師にご相談ください。