柏原市立歴史資料館 スポット展示
2022年6月28日
常設展示室入口横で行っているミニ展示です。寄贈資料のほか、発掘調査の速報展など、およそ2か月ごとに展示替えしています。
7~8月のテーマ
『こんなモノをいただきました‐牛の道具‐』
展示期間
令和4年6月28日~8月27日
概要
新たに当館にご寄贈いただいた資料を中心に、牛の道具を展示しています。
牛は、農耕用、運搬用として、日本人の暮らしに欠かすことのできない動物でした。東日本で馬が多く用いられたのに対して、西日本は牛づかいの地域と言われ、柏原にもかつては多くの牛が活躍していたのです。自動車やトラクターなどの農業機械の登場によって、畜産業の関係者以外で牛を育てる人はほとんどいなくなりましたが、50年ほど前までは、道すがら、牛の姿を見ることができたといいます。多くの場合、家の一部にしつらえられた牛小屋のなかで飼養され、大切に育てられました。
展示している牛の道具は、昭和40年代まで、荷車を牽(ひ)いたり、田んぼを耕したりするときに、牛に装着していたとのことです。首木(くびき)・小鞍(こぐら)・尻枷(しりかせ)の牽引具3点セットがそのまま残されており、保存状態は極めて良好です。形状や素材からみて、昭和初期以降に本格的に登場する販売品であり、「近代化」を遂げた牛の道具の「最終形態」と言えるでしょう。
今回は、牛に牽かせる代表的な農具である犂(からすき)を一緒に展示しています。
ぜひ、この機会に、展示をご覧いただき、日本史上に果した牛の役割の大きさについて考えていただけると幸いです!