長瀬川・玉串川が世界かんがい施設遺産に登録!-9-

2018年12月2日 (文化財課)

「大和川分水築留掛かり」のその後

 築留(つきどめ)樋組(ひぐみ)は、規約を変え、かたちを変えながら現在の築留土地改良区へと続いています。この間に何度も樋(ひ)が破損し、造りなおされています。破損するたびに、流域村々からなる築留樋組で修繕してきたのです。

 明治20年(1887)にも出水で築留二番樋が破損しました。そのため翌年明治21年に二番樋は改修されました。大災害を未然に防止するため堅固な構造とすることが望まれ、レンガ積みの樋に生まれ変わりました。樋内部は、アーチ形に築かれていますが、側壁も曲線となる馬蹄形となっています。まるで鉄道のトンネルのようです。樋の出口は下半分が長手積み(レンガの長い側面がみえるような積み方)、上半分がイギリス積み(長手積みと小口積みを交互に積み上げる積み方)となっています。また、レンガ積みの最上部は花崗岩の切石が載せられており、非常に美しく仕上げられています。現在樋の内部はコンクリートなどによって補強されているため、樋内部のレンガ積みはみることはできませんが、出口の様子は見学できます。現在も二番樋から勢いよく水が吐き出されています。130年前の貴重な土木構築物であることと、その美しさから平成13年(2001)に国の登録有形文化財となりました。

 また、旧大和川河床に営まれた新田は、明治以降になると、広い土地を求める工場や公共施設の用地として利用されるようになりました。旧川筋は天井川だったため、周辺より土地が高く水はけが良いこと、地下には伏流水が豊富で地下水を得やすかったことなども工場が進出するための好条件でした。しかし、これらの工場からの排水が長瀬川や玉串川に吐き出されると、用水が汚染されてしまいます。そこで、長瀬川では1950年ごろに用水と排水を分離し、用水の両側に排水専用の水路を設けることになりました。これが、みなさんが見慣れている3本の水路に分かれた長瀬川の姿なのです。50年ほど前には、用水路にはきれいな水が流れていましたが、両側の排水路には色に染まった水が流れていたのを覚えている人も多いと思います。

(文責:安村俊史)

桜の築留
写真:桜の中の築留二番樋

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