長瀬川・玉串川が世界かんがい施設遺産に登録!-5-

2018年11月4日 (文化財課)

「大和川分水築留掛かり」の維持管理

 「大和川分水築留(つきどめ)掛(か)かり」の用水は、流域75か村によって維持管理されていました。当初は66か村だったようですが、次第に増加し、多いときは78か村あったようです。これは、ほかの用水を利用している村が、築留の水も利用するようになったり、利用しなくなったりで加入や脱退をくり返すこと、一つの村が東西二つの村に分かれることなどがあったために増減したようです。

 各村は、この用水路にさらに樋(ひ)を設けて自分たちの村に取水しているのですが、その樋管の大きさは各村の石高によって決まっていました。不公平にならないように、石高に比例して樋管の大きさを決めていたのです。二俣で西用水井(い)路(じ)(長瀬川)と東用水井路(玉串川)に分水されましたが、ここでもそれぞれの井路を利用する村の石高の総計によって、分水箱の大きさが決められていました。

 このように厳しく取水方法が定められていたのですが、それでも不満をもつ村々がありました。それは下流の村々で、上流の村々が取水したあとで十分に用水を得ることができなかったからです。同じ条件ならば、下流の村々が不利になることが多かったのです。そのため、上流から下流へと段階的に村の樋管の大きさを、石高よりも大きくするように変更されるということもありました。

 取水方法以外にも、普段の維持管理や樋が破損した場合の費用分担など、細部にわたる取り決めのもとに築留樋組は運営されていました。そして、幕府に要望をすることもありました。各村の公平ということを重視していたようです。この築留樋組はその後も続けられ、現在の築留土地改良区へと続いています。

(文責:安村俊史)

築留・青地樋用水組合村々絵図
図:築留・青地樋用水組合村々絵図読み取り図〔当館所蔵小山家文書〕

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