~竹原井頓宮6~

2017年5月15日 (文化財課)

青谷式軒瓦

 瓦葺きの建物は、屋根に平瓦と丸瓦が一列ずつ交互に葺かれ、軒先は軒丸瓦と軒平瓦で飾られます。青谷遺跡からは数種類の軒丸瓦が出土していますが、その大半を占めるのは複弁七葉蓮華文軒丸瓦です。蓮華文は蓮の花を上から見た文様を描いたもので、花弁が二枚一組となり、7箇所に配されて一周しています。弁と弁の間は界線と呼ばれる線で区切られていますが、青谷遺跡の軒丸瓦は、その界線を一箇所だけ欠いているのが特徴です。軒平瓦は一種類の均整唐草文軒平瓦だけが出土しています。中央の中心飾りから両側へ唐草が湾曲しながらつづく文様が描かれています。どちらも、平城宮の瓦を手本に造られているようです。平城宮の瓦の年代観から考えると、8世紀前半から中ごろにかけての年代と考えられます。

 この青谷遺跡に特徴的な軒丸瓦と軒平瓦のセットを青谷式軒瓦と呼んでいます。青谷式軒瓦はほかの遺跡でも出土していますが、多く出土することはあまりありません。ただ大和川の対岸にある河内国分寺跡からは多数出土しています。瓦の造り方などから考えると、青谷遺跡に続いて河内国分寺の瓦が造られたと考えられます。

 青谷式軒瓦は、藤井寺市の誉田御廟山古墳(応神陵)の北側でも出土しており、その付近にこの瓦を焼いた窯があったと考えられています。河内国の国府近くで青谷式軒瓦が造られていたと考えると、官営の施設だったのかもしれません。

 また、京都府大山崎町の大山崎遺跡群からも多数の青谷式軒瓦が出土しています。大山崎から出土する青谷式軒瓦は、その造り方や粘土の質なども一緒で、青谷遺跡の瓦が大山崎へ持ちこまれたと考えられます。竹原井頓宮が廃止されたあと、瓦が大山崎で再利用されたと考えることができます。

(文責:安村俊史)

コラム竹原井6
青谷式軒瓦

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