堤を築く1

2016年8月28日 (文化財課)

 発掘調査成果からみた大和川つけかえ工事

 大阪平野を東から西へと流れる大和川。大和川の両岸には、大きな堤防があります。この堤防は、私たちを洪水から守ってくれています。そして、この堤防が、大和川の歴史を解く鍵を握っているのです。

 洪水を繰り返す大和川は、宝永元年(1704)に現在の柏原市役所の前から西へと流れるようにつけかえられました。つまり、ここから下流の大和川は、300年余り前に新しく造られた川なのです。現在の大和川の堤防は、宝永元年(1704)に新しく造られた大和川の堤防を少しずつ大きくしたものです。ということは、今の堤防の中には、つけかえられたときの堤防が埋まっているということです。このつけかえ当時の堤防を掘り出し、丁寧な発掘調査をすれば、つけかえ工事のようすがいろいろとわかるはずです。

 しかし、堤防を掘り下げて何か月もかけて発掘調査をすることはできません。いつ川が増水して、洪水を引き起こすかわからないからです。そのときに一部でも堤防がなかったら、たいへんなことになります。それでも、これまでにポンプ施設の設置や樋の撤去などに伴って、何度か堤防が掘り下げられています。その際に、堤防の断面の記録がとられている調査もあります。断面を観察するだけでも、土の積み方などさまざまなことがわかります。

 その結果、つけかえ当時の堤防のようすが確認できた4か所の発掘調査をここで紹介したいと思います。これ以外の場所では、すでにつけかえ当時の堤防がつぶされていたり、十分な調査が行えなかったりで、成果はあがっていません。

 4か所の調査では、つけかえ当時の堤防が確認できました。そして、堤防の大きさや、どのように土を積み上げて堤防を築いたのかが、ほぼわかりました。その後、どのように堤防が大きくなっていったのかもわかります。これによって、つけかえ工事のようすに迫れるだけでなく、今後の防災にも活用できると思います。それでは、つけかえ工事の史料を確認したうえで、上流から順に発掘調査成果をみていきましょう。

(文責:安村俊史)

大和川堤防の調査が実施された地点
図 大和川堤防の調査が実施された地点

【秋の企画展のお知らせ】
平成28年9月13日(火)から12月11日(日)まで、企画展「堤を築く-大和川のつけかえ工事-」を開催しています。

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