~おひなさん4~

2016年2月7日 (文化財課)

いろいろなひな人形

 みなさんは、「次郎左衛門(じろうざえもん)びな」をご存知でしょうか。丸顔に細い目という独特の表情をもち、なんとも愛くるしいひな人形です。300年近く前に、京都の人形師・雛屋(岡田)次郎左衛門が生み出したと言われています。その後、江戸でも京都のひな人形が販売されるようになり、やがて江戸でも製作するようになりました。江戸でも次郎左衛門びなは人気があり、雛屋次郎左衛門を名乗る人形師が、代々次郎左衛門びなをつくっていました。ところが、しばらくすると、次郎左衛門びなは時代遅れのひな人形として扱われることもあったようです。丸顔の次郎左衛門びなは今でもつくられています。

 「有職びな」は、主に京都の公家衆に愛されました。250年ほど前からつくられ、公家の装束を忠実に再現したひな人形です。髪型から衣裳のかたち、色柄・織りまで実物と同じようにつくられました。華美になる一方の江戸のひな人形に対して、京都ではこのようなひな人形が好まれたようです。

 「芥子びな」は、小さいながらも細部まで精巧につくられたひな人形です。7~8cmくらいのものが多くみられますが、なかには2~3cmというものもあります。八寸(24cm)以上のひな人形が取り締まられるようになり、雛人形師は、小さくても豪華なひな人形をつくることにしたのです。たちまち芥子びなは流行し、ひな道具も小さく繊細なものがつくられるようになりました。権力に対する庶民の抵抗ともいえるでしょう。

 これら以外にも、いろいろなひな人形があります。今でも、芸能人やスポーツ選手、アニメのキャラクターなどがひな人形になりますが、昔も同じようなことがありました。これらを「変わりびな」といいます。

 「百歳びな」と呼ばれるひな人形は、おじいさんとおばあさんのひな人形です。年寄りのひな人形はふさわしくないようにも思えますが、百歳になるまで夫婦なかよく暮らしていくことができるようにという願いをこめたもののようです。それもいいかもしれません。そのほかにも、貝の中にひな人形を並べた「貝びな」や、博多人形など各地でつくられるひな人形も登場しました。

(文責:安村俊史)

次郎左衛門びな

次郎左衛門びな(『日本の生活道具百科』5・河出書房新社より)

【特集展示のお知らせ】平成28年1月5日(火)から4月24日(日)まで、特集展示「おひなさん」を開催しています。

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