大坂夏の陣をビジュアルに 古戦場の立体地形図などを製作

2015年3月31日

 柏原市の市民歴史クラブ(長澤星二会長・18人)の会員らが、このほど、大坂夏の陣の古戦場、同市片山の小松山から同地区を流れる石川の対岸・道明寺地区(藤井寺市)にかけての立体地形図「大坂夏の陣、小松山・道明寺の戦い」を製作した。3月31日(火)から同市立歴史資料館(同市高井田)の特集展示「大坂夏の陣と柏原」で展示される。

 同歴史クラブは、同歴史資料館の活動にボランティアで協力しており、これまでにも、かつて同市内に存在した古代寺院の再現模型などの製作を手掛けている。今年は、慶長20年(1615)の大坂夏の陣から400周年にあたることから、古戦場のようすがビジュアルに理解できるようにと、このほどの立体地形図の製作となった。

 製作した立体地形図は、幅約180センチ×奥行き約90センチで、5000分の1サイズ。発砲スチロールをベースに紙粘土で形を整え、色を塗って仕上げている。古戦場の地形が一目で理解できるよう、山の高さなどは実際より誇張して表現。小松山・道明寺の戦い当日の大坂方と徳川方の状況を午前と午後に分けて地形図上に表示している。併せて、古戦場の北側(大坂城方向)にあたる地域の地図(縦約150センチ×横約90センチ、20000分の1サイズ)を立体地形図の左側奥に接して斜めに立てかけた形で表示するとともに、右側奥にはテレビモニター(24インチ)を設置し、小松山の戦いの解説や時間を追っての両軍の戦闘経過などを計16枚の静止画によるスライドショー(1枚×10秒)で映し出すなど、随所に工夫をこらしている。

 同歴史クラブ会員らが、昨年12月末から週に2日程度、数人ずつ交代で作業に取り組み、完成までに約2か月をかけた。同歴史資料館3階研修室の一画が作業場となった。

 同歴史クラブでは、鉄砲足軽の人形(幅約40センチ×奥行き約80センチ×高さ約90センチ)の製作も進めており、完成し次第、地形図と併せて展示する予定。鉄砲足軽の人形は、木を骨組みに発砲スチロールと紙粘土を使い、当時の足軽(下級兵士)がひざ撃ちの姿勢で鉄砲をかまえた姿を表現している。どちらも持ち運びに便利なよう、軽く仕上げるために発砲スチロールを多用したという。

 立体地形図や特集展示などについて、くわしくは、同歴史資料館(072-976-3430)まで。

布陣模型

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