中河内3市の教育委員ら高井田山古墳を見学 3市教委連絡協議会研修会で

2015年2月23日

 中河内3市教育委員会連絡協議会の研修会が2月20日に行われ、中河内地区3市、柏原市、八尾市、東大阪市の教育委員ら計18人が、柏原市教委文化財課の案内で、同市高井田の史跡高井田横穴公園内の公開古墳・高井田山古墳(5世紀)などを見学した。

 同研修会は、3市教育委員の資質の向上と共通する教育課題への対応などのため、3市の持ち回りで毎年行われている。今年は、高井田山古墳のリニューアルが昨年3月末に完了したことから、史跡公園と公開古墳の実情を見ようと、この日の見学となった。

 高井田山古墳は、直径約20メートルの円墳で、石室を保護しながら石室内部を見学できるよう、石材が失われていた石室上部が透明のマルチシェルターで覆われている。5世紀後半の築造とみられ、畿内最古の横穴式石室を持つ。韓国の武寧王陵(6世紀前半)と共通点が多いことなどから、武寧王の父・昆支王(こんきおう)の墓の可能性が示唆されている。二つの古墳からは、ともに火熨斗(ひのし)型青銅製品や金層ガラス製品(装身具)が出土している。石室内には、火熨斗など出土品のレプリカが置かれ、発掘当時のようすが再現されている。平成4年の設置から約20年を経て、マルチシェルターの透明度が低下していたことから、昨年2月から3月末にかけてリニューアル工事が行われた。出土した火熨斗は、現在、武寧王陵出土の火熨斗などとともに、九州国立博物館(福岡県太宰府市)で開催中の特別展「古代日本と百済の交流」(3月1日まで)で展示されている。

 3市の教育委員らは、午後2時過ぎから午後3時ごろまでかけて、柏原市教委文化財課の山根航さんの説明を聞きながら古墳を見学、併せて同史跡公園隣接の同市立歴史資料館の常設展示や市民から展示品を公募した特集展示「わたしの宝物」、3月8日まで開催中の企画展「ちょっと昔の道具たち~火のあるくらし~」を見学するなどした。その後、研修会場のサンヒル柏原(同市高井田)に移動、各市教委の状況などについての意見交換などの後、午後4時30分ごろに解散した。

 見学した教育委員らは、「以前に比べて高井田山古墳が見やすくなっていて驚いた」「資料館の展示に市民とのつながりを感じる」などと話していた。

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