ちょっと昔の生活 ~3Rなんて、あたりまえのころ~

2014年11月18日 (文化財課)

 大量生産、大量消費、消費は美徳などといわれた時代を過ぎ、資源や環境に目を向ける日々がやってきている。世間では、盛んに3R、Reduce(リデュース=減量する)、Reuse(リユース=再使用する)、Recycle(リサイクル=再資源化する)が呼びかけられ、日常生活の中に定着しつつある。3Rは、まさに現代のトレンド(傾向、流行)だ。しかし、私たちの生活は、長い人類の歴史から見れば、つい最近まで3Rなんてあたりまえ、節約の時代だったのである。そう、ほんの30~40年前までは。

 まず、衣類は、古着利用や仕立て直しがあたりまえで、かつ、手作りが基本だった。大人の衣類を子ども用に仕立て直すなどは当然。セーターなども手編みだし、それも何度もほどいては編み直したりした。木綿の着物の場合なら、着古したら寝巻きに、さらに古くなったら適当な大きさに切って雑巾にと、滅多に捨てられることはなかったようだ。まだまだ使えるのに捨ててしまうのは、「もったいない」のである。

 食についても「エコライフ・クッキング」(生ごみの発生を極力抑える調理法)が当然だった。芯や葉っぱを漬物にしたり、残り物を工夫して再調理したり。たまには、消費期限をはるかに過ぎた食材で食中毒、などということもあったようだが。反面、納豆やチーズが発明(発見)されたのも、こうした時代ならではのことだったのだろう。はっきり言って「腐っている」わけなのだから(この場合は「発酵している」と表現するが、現象としては同じもの)。ビールや醤油にしてみても、誕生のきっかけは似たようなものではないだろうか。最初に食べるのには勇気がいったことだろう。それとも、他に食べる物が何もなかったため、そんなことは言っていられなかっただろうか。食中毒を起こしたのでは何もならないのだが。高野豆腐など、考えてみれば、すごい食品だ。豆腐をフリーズドライしているのだから。豆腐を干して(凍らせて)保存しようなどと、いったい誰が最初に考えついたのだろう(偶然できたという説が有力だそうだ)。

 いずれにせよ、食材は、自分で調達し調理するのが普通のことだった。

 また、こうした食べ物や飲み物を買う場合でも、入れ物(容器)は買う側が持参した。

 したがって、容器は当然リターナブル(返却・回収できる、繰り返し使用できる)だ。豆腐、酒、醤油、油、これらは、容器を持って買いに行った。ビール、ジュース、牛乳などはビン入りが普通で、これらの場合、ビンは返して(引き取ってもらって)お金もその分、バックしてもらっていたものだ。

 さらに使ったあとのお茶の葉っぱは、畳の部屋を掃除するときに使ったりしていた。米のとぎ汁、これは、家庭菜園などで肥料になる。生ごみも堆肥になる。し尿も肥料になる。し尿など有料で引き取られていたし、古紙も有料で回収されていた。新聞紙は、弁当を包むのにも利用できた。

 住居も、ふすまや障子などは、たいてい自分で貼り直していた。畳の張り替えは、まあ、プロの手を借りたようだが。

 たいてい、使える物は使えなくなるまで使い、できることは可能な限り自分でしていた、それが基本であり、当然の時代。3Rなんて、あたりまえの時代。そういう時代の方が長く続いていたと言える。つまり、そういう生活の方が、人間にとって普通の生活である、と言うこともできるのだ。もっとも、そのころの、そのような暮らしの動機付けが「環境保護」であったのかどうかは、議論の余地があることだろうけれど。とはいえ、環境保護、資源の有効利用が叫ばれる今、もう一度、当時の工夫に目を向けてみるのも必要なことなのではないだろうか。

 柏原市立歴史資料館では、毎年冬に企画展「ちょっと昔の道具たち」が開催されている。ここでは、ちょっと昔の暮らしにふれることができる。ちょっと見に行って、ちょっと考えてみてはどうだろうか? ちょっと何かが得られるかも。

 

 (文責:宮本知幸)

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