今年も中学生が学芸員を体験 市立歴史資料館での職業体験学習で

2014年11月12日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)では、今年も市内中学生の職業体験学習が行われ、2年生の男子生徒3人が、歴史資料館など博物館の専門職員、学芸員の仕事を体験した。

 今年、学芸員を体験したのは、同市立玉手中学校(小畑壽校長)の2年生、長瀬晟君、中村智哉君、濱﨑豊君の3人。3人は、11月5日から7日までの期間中、毎日午前9時に「出勤」、午後5時まで「勤務」した。同歴史資料館の安村俊史館長や同市教育委員会文化財課の山根航さんらが指導した。同校では、毎年この時期に職業体験学習「玉手中チャレンジワーク」を実施しており、今年は2年生計182人が、同市内のほか隣接の八尾市、藤井寺市内の一般の会社や商店などの受入れ先事業所計53か所で「勤務」した。

 今回、3人が体験した仕事は、収蔵資料の整理と目録作り、見学者の案内サポート、市民からの寄贈品を紹介するスポット展示の準備など。正規の学芸員資格を取るための博物館実習とほぼ同じ内容で、収蔵資料の写真撮影にも挑戦した。体験初日の5日には、当日、同歴史資料館で開催された大阪府民ネット講演会の会場設営や受講者らの会場への案内などを務めた。12月7日まで開催中の秋季企画展「なぜつけかえられたのだろう ―ほんとうの大和川つけかえ運動―」では、見学に訪れる小学生たちの案内をサポートするとともに、一緒に大和川付替えの説明ビデオを鑑賞するなどした。

 今回、3人が担当したスポット展示のテーマは、「こんなものをいただきました」。昭和初期の裁縫箱と糸巻などの付属品、第2次世界大戦中に戦地へ行く兵士に贈られた日の丸の寄せ書きなど数点を常設展示場入口横の専用スペースに展示した。3人は、2日目の午後からスポット展示の準備に取りかかり、展示品について自分たちで調べながら、説明パネルの原稿作成から展示品のレイアウトまで協力しあって進めていった。最終日は濱崎君が欠席だったため、仕上げは長瀬君と中村君の2人が担当した。展示品は、いずれも轟潤子さん(本郷)からの寄贈品。日の丸の寄せ書きなど、3人にとっては目にするのも初めての品とあってか興味深いようすだった。

 3日間の「勤務」終了後、3人は、「(展示品について)調べるのが楽しかった」「古文書の実物を見ることができて良かった」「最初は緊張していて長く感じたけれど、後半は仕事に慣れてきたのであっという間だった」などと話していた。今回、3人が担当したスポット展示「こんなものをいただきました」は、12月末まで展示される。

 

【中学生の職業体験学習】 実際に職業を体験することで社会勉強や将来の進路決定などに役立たせようと、毎年、同市の全市立中学校で市内の事業所の協力を得て、学校ごとに行われている。職業についての事前学習などを経て、2学期の10月から11月に行う学校が多い。3日間程度、直接、「勤務先」に「出勤」し、実際の職業を体験する。「勤務時間」は、午前9時ごろから午後5時ごろまで。「勤務先」は、あらかじめ生徒の希望などを考慮して決められる。

 

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