高井田横穴特別公開行われる 史跡公園オープン20周年記念拡大版

2012年5月19日

 恒例の史跡高井田横穴の特別公開が、5月19日、今年も初夏の空の下、新緑の中で行われ、計約160人の考古学ファンらでにぎわった。

 今年は、平成4年に同横穴群のある一帯が史跡公園として整備されてから20周年にあたるところから、柏原市教育委員会文化財課の担当者らによる案内エリアが広げられるなど拡大版で行われた。同市の市民歴史クラブ(長澤星二会長・18人)の会員らが今年もボランティアで協力、案内や説明をサポートした。今回のコンセプトは、「知られざる魅力の発信と新しい魅力の発見」。これまでの公園東側の横穴密集エリアだけでなく、植栽に関係する万葉集の歌を表示したプレートのある西側エリアや公園隣接の柏陽庵の日本庭園なども案内対象エリアとなった。

 公園内に設けられた受付横には、公園整備前の横穴の写真パネルなど計約50点が掲示され、注目を集めていた。併せて、勾玉作り体験や横穴クイズも行われ、クイズの回答者には粗品(蛍光ペンなど)がプレゼントされた。見学者は、同市内だけでなく、遠く神戸市や京都市からの参加もあった。2回目以上の参加者も少なくなく、横穴の魅力の奥深さを物語っていた。

 参加者らは、「すごく興味深かった」「(横穴だけでなく)柏陽庵の庭園が見学できてよかった」「次回は家族も誘って来よう」などと感想を口にしていた。

 高井田横穴特別公開、次回は、10月20日(土)の予定。

 

「河内学」(関福大)も同日開講

 横穴特別公開当日、同市旭ヶ丘3の関西福祉科学大学(江端源治学長)の「総合教養1―河内学―」の学外での体験講義も昨年に引き続いて開講された。同大学の担当教員や学生ら約40人が一般参加者らとともに横穴や公園隣接の同市立歴史資料館を見学するなどした。「総合教養1―河内学―」は、河内地域固有の風土や歴史、産業などをテーマに生きた河内学を学ぶことを目的に毎年開講されている。大学での授業だけでなく、外部の講師らによる学外での体験講義なども含まれており、この日の開講となった。

 学生らは、午後1時から柏原市立歴史資料館3階研修室で、同館の安村俊史館長による「柏原市の古墳文化」をテーマにした講義を受けた後、2班に分かれて安村館長らの案内で横穴などを見学、午後4時ごろ解散した。

 

【高井田横穴】

 6世紀から7世紀にかけての墓である横穴群で、国の史跡。周辺一帯、約3万6千平方メートルが史跡公園として整備されている。内部に線刻壁画が描かれていることで、全国的に有名。横穴内部は、普段は非公開だが、貴重な史跡に直接親しむことにより、いっそう文化財への理解を深めるとともに郷土への愛着を育んでもらおうと、同文化財課が、毎年2回、5月と10月の第3土曜日に特別公開している。

 

公開拡大2012の1 公開拡大2012の2

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