史跡指定記念・開館20周年記念 企画展「鳥坂寺再興」開催

2012年6月22日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)は、7月14日(土)から9月9日(日)まで、夏季企画展「鳥坂寺(とさかでら)再興」を開催する。同市高井田の古代寺院、鳥坂寺跡が今年1月に国の史跡に指定されたのを記念し、併せて同歴史資料館の開館20周年を記念する。午前9時30分から午後4時30分。月曜休館。入館無料。

 鳥坂寺は、日本書紀に続く勅撰(ちょくせん)の歴史書「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記載された、孝謙天皇ゆかりの寺。寺跡は、昭和4年(1929)に鴟尾(しび)の出土で注目を集め、昭和58年(1983)には「鳥坂寺」と墨書のある土器が出土し、鳥坂寺跡であることが明らかとなった。金堂や講堂、塔などの基壇や礎石が良く残っており、瓦など多数の遺物が出土している。鴟尾とは、金堂の屋根の両端に据えられた飾り瓦で、後の天守閣のシャチホコのようなもの。鳥坂寺の鴟尾は、復元すると高さが約1.3メートルもあり、現在は東京国立博物館(東京都台東区)に復元された形で展示されている。金堂基壇は、奈良平城宮大極殿の復元にあたって参考とされた。

 今回の企画展では、「鳥坂寺」墨書土器や講堂跡出土の鉄製釘(長さ約40センチ)、せん仏(土製の仏像)、軒丸瓦などの実物と発掘調査時の金堂や講堂跡の写真パネルなどを展示。展示を通じて、これまでの発掘調査で分かった鳥坂寺の実像に迫るとともに、鳥坂寺を現代に再興する。併せて、同市の市民歴史クラブ(長澤星二会長・18人)会員らによる、30分の1サイズの鳥坂寺の金堂や塔などの伽藍(がらん)再現模型と実物大の鴟尾の復元模型も展示する。

 同歴史資料館では、「『再興』には、最高、再考、彩光など様々な意味が込められている。この企画展が鳥坂寺や古代の柏原への関心を高め、残された貴重な文化財への理解を深めるきっかけになれば」などと話している。

 

 【公開講座や講演会も開講】

 開催初日の14日には、午後1時30分から公開講座「鳥坂寺ってどんな寺?」を開講、同歴史資料館の安村俊史館長と同館学芸員の山根航さんが、鳥坂寺の歴史的意義や最新の発掘調査のようすなどについて、分かり易く解説する。公開講座は、定員90人で受講無料、申し込み不要で当日先着順。

 このほか、7月下旬から9月上旬にかけて、鳥坂寺や古代仏教などをテーマにした文化財講演会や市民歴史大学などの開講が予定されている。いずれも受講無料で当日先着順。開講日やテーマなどは、その都度、同市の広報誌などに掲載の予定。

 夏季企画展「鳥坂寺再興」や公開講座などについて、くわしくは、同歴史資料館(976-3430)まで。

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(柏原市立歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431