スポット展示7~8月は、櫛(くし)や簪(かんざし)など

2012年7月6日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)恒例のスポット展示、7~8月は江戸時代から明治、大正期ごろの櫛(くし)や簪(かんざし)、笄(こうがい)など15点。併せて、約百年前に実際に使用された、お宮参りの男児用産着(うぶぎ)や日本酒の燗(かん)用の銅器も展示している。8月31日(金)まで。午前9時30分から午後4時30分。月曜休館。入館無料。

 櫛は、髪の毛を整えるだけでなく、髪飾りとしても使用された。このため、半円形で、模様が描かれているものが多い。発音が「苦死」と同じであるところから、落ちている櫛を拾ってはならないとされ、贈り物の目録などでは「髪飾り」「かんざし」などと記載されたという。また、頭(髪)に差すことや「奇(く)し」から、使用者の魂が宿るなど神秘的、呪術的な意味合があるともされた。簪や笄とともに髪の装飾品の代表といえる。

 簪には、玉の付いた玉簪やひも状の飾りがついた、びらびら簪など、いろいろな種類がある。専用の簪入れや鏡などとセットになったものもある。江戸の武家社会では、護身用の武器としても使用できるよう、柄の材質が固い金属製のものもあったという。「かんざしも逆手(さかて)に持てば恐ろしい」(江戸川柳) 笄とは、髪をかき上げたり、巻いて髷(まげ)を作るのに使う道具。両端が髷の外側に出るので、それが装飾となる。江戸時代には、女性だけでなく男性も使用しており、刀の鞘(さや)に付けるなどして持ち歩いていた。刀の鞘に付けた(差し納めた)ことから、笄のことを表(おもて)差(ざ)しなどとも呼ぶ。

 実物の展示と併せ、投げ島田や銀杏返(いちょうがえ)し、桃割(ももわれ)など、明治期の女性の髪形40種類のイラストを表示したパネルも併せて掲示している。

 銅器は鍋状の器と日本酒を入れる取っ手の付いた容器のセットで、取っ手の付いた容器を鍋状の器の中に入れるとき、容器の上部が上に出るよう、鍋状の器にリング状の蓋(ふた)をして使う。蓋をすることで器の中の湯が冷めにくくなるので、効率よく燗をすることができる。中に入れる容器に合わせて蓋の大きさを変えられるよう工夫されている。ただ、いつごろの物なのかは、分からないという。いずれも法善寺の大谷恒夫さんから同歴史資料館への寄贈品。 同歴史資料館の安村俊史館長は、「昔の人もおしゃれには気を使っていた。展示を通じて、当時と今とを比較してみては」などと話している。

 スポット展示について、くわしくは、同歴史資料館(072-976-3430)まで。

 

スポット櫛 銅器

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