夏季企画展「鳥坂寺再興」図録発行

　柏原市立歴史資料館（同市高井田）は、７月14日から開催の夏季企画展「鳥坂寺(とさかでら)再興」に併せ、鳥坂寺についての考察や展示品解説などを収録した図録を発行した。Ａ４判・32ページ・オールカラーで、７百部発行。希望者には一部３百円で実費頒布する。 鳥坂寺は、「続日本紀(しょくにほんぎ)」に記載されている寺院。孝謙天皇が難波の宮への行幸途中に参拝したとの記録がある、いわゆる河内六寺の一つ。金堂や講堂、塔など寺の主要建築物の基壇や礎石などが良く残されており、今年1月24日、国の史跡に指定された。

　図録では、鳥坂寺跡の発見やこれまでの発掘調査の経緯を紹介、発掘調査で分かった同寺の伽藍配置などをくわしく解説している。内容は、古代の柏原と河内六寺、瓦で見る鳥坂寺、鳥坂寺の伽藍、鳥坂寺を支えた人々など。併せて、周辺の古墳との関係や軒丸瓦を通じての同時代の他地域の寺院との関係などを考察、さらに出土した鉄釘やせん仏(土製の仏像)、鴟尾(しび)などについても分かり易く解説している。企画展見学の参考として利用できるだけではなく、図録だけでも十分に理解を深めることができる。

　同歴史資料館では、「図録と展示を通じて郷土の歴史に直接触れ、古代のロマンを感じてもらえれば」などと話している。

　企画展「鳥坂寺再興」は、９月９日（日）まで。午前９時30分から午後４時30分。月曜休館。入館無料。同図録や企画展などについて、くわしくは、同資料館（９７６－３４３０）まで。