「鳥坂寺」銘墨書土器 市文化財に指定

2012年9月3日

 柏原市教育委員会は、9月1日付けで、史跡鳥坂寺跡出土「鳥坂寺(とさかでら)」銘墨書土器を同市の文化財に指定した。同市文化財保護審議会(会長・塚口義信堺女子短期大学名誉学長名誉教授、7人)の8月3日の答申を受け、同月22日の教育委員会議で正式に指定を決めた。同市の指定文化財は、全国的にも珍しい火熨斗(ひのし)などの高井田山古墳出土遺物、聖徳太子の棺ではないかとされる安福寺の夾紵棺(きょうちょかん)片、江戸時代の大和川付替え工事などを記録した中家文書(なかけもんじょ)などに続いて、これで9件目となる。

 「鳥坂寺」銘墨書土器は、直径約14.5cm、高さ約5cm、高台の直径約5.5cmの土師器の椀で、側面に墨で「鳥坂寺」と書かれている。9世紀後半から10世紀初めごろに作られたと見られる。昭和58年7月、高井田地区の区画整理に先立つ発掘調査で、他の土器類などとともに寺跡の井戸の中から発見された。この発見で、それまで地名から「高井田廃寺」と呼ばれていた同寺跡が、続日本紀(しょくにほんぎ)に記された鳥坂寺の跡であることが明らかとなった。鳥坂寺跡は、今年1月、国の史跡に指定されている。

 「鳥坂寺」銘墨書土器は、9月9日(日)まで開催の同市立歴史資料館(同市高井田)夏季企画展「鳥坂寺再興」で展示中。

 

墨書土器

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