鳥坂寺跡整備検討委 第1回会議開催 基本構想に基づき具体的整備方法など検討

2012年9月26日

 国指定史跡鳥坂寺跡(柏原市高井田)の保存と活用のための整備について検討しようと、このほど、専門の研究者らによる鳥坂寺跡整備検討委員会が発足。その第1回会議が、9月25日、同市高井田の同市立歴史資料館3階研修室で開催された。昨年度、市民協働で策定された同寺跡の保存活用基本構想に基づき、将来に向かっての保存と活用のための具体的な整備方法などについて検討し、市長に提言する。同市教育委員会文化財課が事務局を務める。

 この日は、開催に先立ち、同市教委の稲田邦敏教育長から5人の委員に委嘱状が交付された。会議では、冒頭、委員の互選により、委員長に近畿大学の大脇潔教授(考古学)が、副委員長に関西福祉科学大学の森明彦教授(日本古代史)が、それぞれ選任された。その後、基本構想の内容確認と具体的な整備方法を検討していくうえでの課題の整理などで意見が交わされた。大阪府教育委員会文化財保護課の職員がオブザーバーとして出席した。同委員会では、今年度中にあと2回、来年度以降は3か月に1回程度のペースで会議を開催していくとしている。次回は、11月13日午後2時から同歴史資料館で開催される。傍聴自由。会議の開催日時や会議録などは、同文化財課のホームページで順次公開される予定。

 鳥坂寺は、飛鳥時代から平安時代にかけて同市高井田にあった古代寺院。8世紀ごろの歴史書「続日本紀(しょくにほんぎ)」に孝謙天皇が参拝したとの記載がある。同市教委文化財課の発掘調査で、金堂や講堂など主要な建物の基壇などが確認され、今年1月、国の史跡に指定された。同寺跡の保存活用基本構想では、寺跡の保存活用のための史跡公園化などが基本方針として打ち出されており、今後は、史跡公園化などに向けての具体的な整備方法の検討などが課題となっている。

 この日委嘱された同検討委員会のその他の委員は、次のとおり(順不同、敬称略)。 塚口義信(堺女子短期大学名誉学長・名誉教授、日本古代史)、箱崎和久(奈良文化財研究所都城発掘調査部(平城地区)遺構研究室長、建築史学)、高橋知奈津(同都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)遺構研究室研究員、庭園史学・遺跡整備)

 

整備委員会1 整備委員会2

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