史跡高井田横穴 秋の特別公開開催される

2012年10月23日

 史跡高井田横穴の秋の特別公開が10月20日に開催され、計約70人の考古学ファンらでにぎわった。 当日は、朝から秋晴れで、特に昼間は雲一つない晴天。気温は少し低かったが、横穴などのある史跡公園内を歩いて見学してまわるには最適の気候。同日開催された近鉄安堂駅を基点にした近鉄など主催のウォーキングイベント、おいな~れ柏原の参加者らも足を延ばすなど、考古学ファン以外の見学も少なくなかったという。見学者の中には、遠く、神戸や宝塚、京田辺などからの参加もあった。

 見学者らは、10人程度のグループごとに、午前2回と午後3回の計5回、担当の同市教育委員会文化財課員らの説明を受けながら史跡公園内を見学してまわった。今回も市民歴史クラブ(長澤星二会長、15人)のメンバーらがサポートした。

 史跡高井田横穴は、6世紀中ごろから7世紀初めごろの古代の墓。総数は、200基以上と推定される。周辺一帯が史跡高井田横穴公園として整備されている。普段は非公開だが、毎年2回、春(5月)と秋(10月)(いずれも第3土曜日)に、同文化財課が郷土の歴史に親しんでもらおうと約15基の横穴内部を特別公開している。

 見学者らは、「何度も来ているが、また来たくなる」、「初めて見学して感動した」などと話していた。

 

市民歴史クラブの体験イベントを同時開催復元古代甲冑のお披露目も

 横穴特別公開当日、同市の市民歴史クラブ会員らによる体験イベントも同時開催され、木枠と粘土を使っての瓦作りやボール紙などで復元した古代の甲冑(かっちゅう=よろい・かぶと)を身に着けての記念撮影大会なども行われた。

 体験イベントに使用された甲冑は、同史跡公園内にある高井田山古墳(5世紀)から出土した甲冑を市民歴史クラブの長澤会長らがボール紙などで復元したもの。製作に約3か月かかった力作。この日が、お披露目となった。実物と同じようにパーツを組み立て、黒い色を塗って仕上げてあり、一見すると鉄製であるかのような出来栄え。実際に身に着けることができる。ただし、肩や首の部分の防具を欠いており、完成品ではない。同歴史クラブでは、今後も引き続き製作を進め、来年には完成させたいとしている。 木枠と粘土を使って作る古代の軒丸瓦は、直径で実物の約3分の1のサイズ。奈良時代の古代寺院(8世紀ごろ)、同市高井田の史跡鳥坂寺跡出土の軒丸瓦がモデルとなった。併せて、ひょうたんの絵付けなども行われた。見学者らは、見学終了後などに軒丸瓦作りや甲冑を身に着けての記念撮影などを楽しんでいた。

 

秋の横穴公開1 秋の横穴公開2

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