文化財説明板 今年度は建て替えと新設、各1か所 市教委文化財課

2012年12月14日

 柏原市教育委員会文化財課は、12月13日、同市内の文化財などについて解説した説明板2か所を設置した。1か所は建て替えで、他の1か所は新設。

 今回設置したのは、安堂太平寺共同墓地の「伝木沢長政の墓」と本堂の「古代の本堂―河内国大県郡巨麻郷と大狛(おおこま)神社」の2か所。「伝木沢長政の墓」の説明板は、説明文が薄れて読みにくくなるなど、かなり老朽化していたことから建て替えとなった。「古代の本堂―」の説明板は、本堂と大狛神社が郷土史上重要な場所でありながら、これまで説明板がなかったことから、地元や史跡探訪のハイカーなどからの要望もあり、大狛神社前での新設となった。同文化財課によると、現在、同市内には建て替えの必要性がある説明板が、今回建て替えた「伝木沢長政の墓」以外にも計4か所あるが、設置場所の再検討が必要なことなどから1か所は新設を優先したという。

 今回、設置した説明板は、アルミの枠組み付きステンレス腐食プレート製で、幅約70cm、高さ約60cm。同文化財課が平成19年度から設置しているものと同じ規格。直径約8cm、高さ約1.5mのアルミ製の支柱2本で支えられており、説明文と併せて写真などを表示している。

 現在、同市内には、同文化財課が設置し管理している説明板が計約50か所ある。同文化財課では、これらの説明板の建て替えなどを計画的に進めていくため、平成23年に全説明板の現況調査を実施。その結果に基づき、建て替えの必要性に応じて、S(直ちに建て替えが必要)、A(建て替えの必要性がある)、B(建て替えの必要性は比較的小さい)、C(建て替えの必要性は全くない)の4段階に分類している。今回の設置で、Sはゼロ、Aが4か所、Bが6か所などとなった。このほか、新規に設置が望まれる場所も数か所あるという。同文化財課では、「今後も引き続き計画的に設置を進めていきたい」と話している。 

 

【伝木沢長政の墓】

 戦国時代の武将、木沢長政の墓と伝えられる五輪塔。天文11年(1542)と刻まれている。木沢長政は河内の守護代として権勢を誇ったが、天文11年、落合川の合戦(太平寺の戦い)で遊佐長教らに敗れ、この地で討ち死にした。

 

【古代の本堂】

 古代豪族、大狛氏の本拠地。7世紀後半、唐や新羅との関係悪化から高安城が築かれ、その維持や管理などの必要性から本堂の地に集落が営まれたと考えられる。第4代天台座主(てんだいざす=比叡山延暦寺の住職)の安慧(あんえ、794~868)は、大狛氏の出身で、本堂生まれだとされる。

 

説明板設置1 説明板設置2

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(柏原市立歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431