鳥坂寺跡出土の大型鉄製釘など 府立近つ飛鳥博物館で特別展示

2012年12月21日

 柏原市高井田の史跡鳥坂寺跡出土の大型鉄製釘などが、大阪府立近つ飛鳥博物館(白石太一郎館長)の冬季特別展「歴史発掘おおさか2012―大阪府発掘調査最新情報―」で展示される。平成25年1月26日(土)から3月24日(日)。午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜休館(2月11日(月)は開館)。 展示されるのは、長さ約40cm×最大幅約2.5cmの大型の鉄製釘や長さ約40cm×幅約7.5cmの八双金具、直径約8cmの鉄製円盤など計7点。いずれも平成22年の柏原市教育委員会文化財課による発掘調査で、講堂跡北面の中央東側礎石付近から出土した。出土状況などから講堂の扉板に関係する金具と見られる。八双金具は扉板の回転軸部分が割れるのを防ぐためのもので、釘は端喰(はしばみ)と呼ばれる扉材を扉板に固定するためのもの。鉄製円盤は回転軸の摩耗を防ぐための軸受だと考えられるという。いずれも古代の寺院建築を知るうえで非常に重要な資料。平成24年3月に保存処理が終わった。

 鳥坂寺は、7世紀後半建立の古代寺院で、孝謙天皇らが巡拝した河内六寺の一つ。金堂や講堂の基壇などが残されており、平成24年1月に国の史跡に指定された。

 大阪府内の地中には、旧石器時代以降、あらゆる時代の埋蔵文化財が眠っており、毎年、発掘調査で多くの事実が明らかとなってきている。同冬季特別展は、こうした府内の発掘調査の最新成果を展示することによって、多くの府民に埋蔵文化財についての知識と理解を深めてもらおうと開催される。期間中、一般向けの講演会や同博物館学芸員による展示解説なども予定されている。同博物館では、「埋蔵文化財を通じて、大阪の魅力を再発見してもらえれば」などと話している。同博物館は、一般600円、65歳以上と高校生大学生400円、中学生以下など無料。近鉄長野線「喜志」駅から金剛バス阪南線「阪南ネオポリス」下車、風土記の丘入口から徒歩約8分。

 冬季特別展「歴史発掘おおさか2012―大阪府発掘調査最新情報―」について、くわしくは、同博物館(0721-93-8321)まで。

 

近つ展示1 近つ展示2

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(柏原市立歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431