5月・6月のスポット展示は 中甚兵衛像のひな形と110年前の和紙の鯉のぼり

2014年4月26日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)では、中甚兵衛(なか・じんべえ)像のひな形と今では珍しい和紙製の鯉のぼりをスポット展示している。併せて、初期の鯉のぼりを描いた江戸時代の浮世絵のパネルなども掲示している。6月末まで。午前9時30分から午後4時30分。月曜休館、入館無料。

 展示の中甚兵衛像は、柏原市役所北側の国道25号安堂交差点そばの治水記念公園(大和川付替え記念碑公園)内に建つ中甚兵衛像(銅像)のひな形。彫刻家の高橋宏至さんが、公園内の像の原形製作に先立って、昭和63年ごろに製作した。樹脂製で、高さは約95センチ。平成16年10月に開催された大和川付替え300周年記念式典当日、会場の同市市民文化会館リビエールホール1階で展示されるなどしている。所有者の高井豊幸さん(太平寺)から、このほど、同歴史資料館に寄贈された。中甚兵衛は、宝永元年(1704)の治水工事、大和川付替えの功労者として知られ、同歴史資料館では、毎年、付替えをテーマにした企画展を開催するなどしている。

 鯉のぼりは、和紙製で約110年前、明治30年代後半ごろのものと見られる。真鯉で、口の直径は約45センチ、長さは約3メートル。乾正輝さん(国分東条町)からの寄贈。鯉のぼりは、現在でこそ布製が一般的だが、かつては和紙製のものも珍しくなかった。吹き流しから発展したと考えられ、江戸時代の終わりごろまでは江戸など関東の習慣で、京・大阪など上方にはなかったという。上方で鯉のぼりが普及し始めたのは明治以後のことだとされる。展示の鯉のぼりは、そのころのもの。

 同歴史資料館では、6月23日(日)まで、春季企画展「河内大橋」を開催中。スポット展示、春季企画展について、くわしくは、同歴史資料館(072-976-3430)まで。

 

【中甚兵衛像(銅像)】

 平成元年1月、中甚兵衛生誕350周年を記念して、柏原ライオンズクラブの寄付で建立された。ほぼ等身大で、高さは台座を含めて約3メートル。当初は柏原市安堂町1の教育センター前にあったが、治水記念公園整備後の平成2年5月、公園内の現在位置に移された。

 

中さんと鯉のぼり

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