韓国MBCテレビ 柏原市立歴史資料館を取材 2年ぶり2度目 今回の取材対象は大県の鉄

2013年11月6日

 韓国のMBCテレビが、11月6日、2年ぶりに柏原市立歴史資料館(同市高井田)を取材した。今回の取材対象は、同歴史資料館収蔵の同市大県遺跡出土の鉄滓(てっさい)など、古代の鉄器生産、鍛冶関連遺物。MBCテレビ編成製作局の金学黙(キム・ハックムック)プロデューサーやカメラマンら5人が、午前11時ごろから約30分かけ、同歴史資料館の展示品を撮影するなどした。当日は、開催中の企画展「大和川のおいたち」見学のため、午前中だけで計4校・計約320人もの小学生が訪れていたが、収録は小学校と小学校の見学の合間に行われ、大きな混乱はなかった。韓国MBCテレビの同歴史資料館への取材は、同歴史資料館隣接の史跡高井田横穴公園内にある高井田山古墳(5世紀)の出土品などを取材した平成23年7月以来、今回で2度目。

 MBCテレビでは、現在、特別企画番組「安羅伽耶(あらかや)を探して」の製作を進めており、鉄器生産との関わりで、同歴史資料館収蔵の大県遺跡出土品の取材となった。大県遺跡は、同市大県地区から平野地区にかけて広がる複合遺跡で、古墳時代(3世紀半ばから7世紀末ごろ)の鍛冶関連遺構などで知られる。

 安羅伽耶(安羅国)とは、3世紀ごろから6世紀ごろにかけて朝鮮半島南部、洛東江流域を中心とする一帯にあったとされる小国群、伽耶諸国の一つ。「伽耶」は、宋書、梁書など当時の中国の歴史書、そのほか日本書紀や広開土王(好太王)碑文などでは「加羅(から)」と表記され、「任那(みまな)、加羅」と併記されている。安羅伽耶は、金官伽耶(大加羅、駕洛国)とともに当時、伽耶連盟(加羅諸国)の中心国だったとされるが、その実態はほとんど知られていない。金官伽耶は、魏志倭人伝に見える「狗邪韓国(くやかんこく)」(倭国の北限)の後身だと考えられ、加羅諸国のあった一帯は、当時の日本とも結びつきの強い地域だったと考えられている。

 番組では、世界遺産暫定登録を目指す韓国慶尚南道咸安(ハマン)の末伊山(マリサン)(末山里・マルサンニ)古墳群や広開土王碑、日本に残る鉄器や土器など伽耶文化の痕跡などを通じて、謎に包まれた安羅伽耶の実態を探り出したいとしている。番組は、各50分2部構成のドキュメンタリーとして、今年12月下旬、韓国で放送される。

 柏原市内には、高井田山古墳など古代日韓の文化交流を示す遺跡が数多く残されており、これまでもMBCテレビのほかTJBテレビなど韓国のテレビ局がたびたび取材に訪れている。

 

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