今年も回想法で出前講座 「ちょっと昔の道具たち」

2013年11月13日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)は、11月13日、回想法による出前講座「ちょっと昔の道具たち」を、昨年6月に引き続き、同市古町3の介護老人保健施設・知恵の和苑(天方義邦施設長)で開催した。同苑入所のお年寄り約30人とデイサービス利用のお年寄り約30人の計約60人が、午後1時ごろから各30分、かつてはありふれていながら今ではほとんど目にしなくなった日常生活道具、「ちょっと昔の道具」の使用を楽しんだ。最高齢は100歳。同市教育委員会文化財課の石田成年主幹と山根航さんが指導した。同苑の介護スタッフらがサポートした。

 回想法とは、主としてお年寄りを対象とする心理療法の一種で、お年寄りの体験や思い出などを聞いて楽しく会話することを基本とする。かつて実際に使っていた道具に再び触れることで、五感が刺激され記憶が呼び起こされる。認知障害や記憶障害の改善、認知症の予防や進行抑制の効果もあるという。

 同歴史資料館では、主として若い世代を対象に毎年1月から3月に開催している企画展「ちょっと昔の道具たち」を、昨年6月13日、初めての試みとして、お年寄りを対象に、同苑とのコラボ(協働)による出前講座で開催した。当初対象外だった同苑のデイサービス利用者からも受講の申し出あり、急遽時間を延長するなど大好評だったことから、同苑での2度目の開催となった。

 この日用意された、ちょっと昔の道具は、寝るときに使用する炭を使う炬燵(こたつ)、湯たんぽ、豆炭アンカなどの暖房器具、計5点。いずれも同歴史資料館の収蔵品。受講したお年寄りたちは、かつて慣れ親しんだ、なつかしい道具にふれ、道具にまつわる思い出や体験を語りながら、前回同様、久しぶりの使用を楽しんでいた。

 「お年寄りに好評なので、今後も機会を見つけて実施していきたい」と同苑スタッフ。同歴史資料館の企画展「ちょっと昔の道具たち」は、来年も1月から3月に開催が予定されている。同歴史資料館では、「一般の方は、ぜひ、企画展をご覧ください」などと呼びかけている。

 

回想法講座1 回想法講座2

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