恒例博物館実習 スポット展示などに取り組む

2014年9月1日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)では、今年も夏休み期間を利用した博物館実習が行われた。8月26日(火)から31日(日)の計6日間、学芸員を目指す各大学からの3年生と4年生の学生が実習に取り組んだ。

 今年の実習生は、大阪教育大学の板橋秋穂さん、大阪国際大学の山﨑美和子さん、近畿大学の大橋琢也さん、堂園大智さん、徳島文理大学の明神上三さんの計5人(男性2人、女性3人)。5人は、同歴史資料館収蔵の古文書や民具の整理、考古資料の梱包などの実習に取り組んだほか、30日開催の一般市民を対象にした講演会(市民歴史大学)の準備を手伝うなどした。4×5インチサイズのシートフィルムを使う大判カメラでの写真撮影にも挑戦、実習最終日には自分たちの力だけでスポット展示を完成させるなどした。同歴史資料館の安村俊史館長や同市教育委員会文化財課の石田成年主幹らが指導した。同歴史資料館嘱託職員(古文書解読)の天野忠幸さんがサポートした。

 スポット展示とは、同歴史資料館が市民から寄贈を受けた民具や古文書などを2か月ごとに入れ替え紹介する小展示で、実習生には展示品のレイアウトや説明パネルの作成など、そのすべてが任される。今年の素材(展示品)は、五つ玉そろばんや昭和6年(1931)に発生した亀の瀬(同市峠)地区の地すべりを報じる絵はがきなど。2日間かけて5人が完成させた展示のタイトルは、「むかしむかしの柏原は・・・」。展示スペースの左半分を使って、商店での綿の取引風景をイラストで再現。右半分では、今も対策工事が続けられている地すべりのようすを図や地図なども使って分かりやすく解説している。「むかしむかしの柏原は・・・」は、10月末まで同歴史資料館常設展示フロア入口横のスペースで展示される。

 実習終了後、5人は、「学芸員の仕事が多岐にわたっており、奥深いことが分かった」、「なまの現場を見ることができてよかった」などと話していた。

 

【博物館実習】

 博物館などの専門職である学芸員の資格を取得するために必要な実習。資格取得を目指す学生には、博物館概論や博物館経営論などの学科と併せ、実習の単位取得が求められている。大学に付属の博物館などがあれば、そうした施設で実習するが、ない場合には外部の施設に依頼することになる。こうしたところから同歴史資料館では、毎年この時期に各大学からの依頼を受け、複数の実習生を受け入れている。

 

博物館実習1

博物館実習2

博物館実習3

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(柏原市立歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431