「博物館」って、何?

2012年10月24日 (文化財課)

 日本国内どこの地方にも、また、世界のどこの国にも、たいてい「博物館」があります。 柏原市立歴史資料館も、いってみれば、この「博物館」の一種です。 ところで、「博物館」とは、いったい何なのでしょうか。 この言葉を聞いて、たいていの人は意味を理解できますが、明確に説明できる人となると、意外と少ないものです。 というわけで、少し調べてみることにしましょう。

 

1 博物館の意味

 「博物館」とは、一言でいえば、要するに「専門的ないろんな分野のものを集めて保管、研究し、多くの人に見てもらうために展示している施設」です。  ただ、いろんなものを集めて、多くの人に見てもらう(利用してもらう)だけではなく、それぞれの専門分野について研究し、その成果を発表している、という点が、「博物館」であるための大きな特徴、要件と言えるかもしれません。  博物館法(昭和26年法律第285号)という法律の規定などを元に整理してみると、「博物館」とは、次のような要件をすべて満たす施設だということができます。

 博物館とは、

 1. 歴史、芸術、自然科学など、専門的ないろんな分野に関する資料を収集し、保管している

 2. それらの資料を展示し、一般の人たちが、利用(見学など)できるようにしている

 3. 一般の人たちの教養や調査研究、レクリエーションなどのために必要な事業を行っている

 4. 収集している資料に関しての調査研究を目的としている 施設である。

 

2 博物館の種類

 専門的ないろんな分野とは、たとえば、歴史、芸術、美術、産業、文学、自然科学、交通などです。  もっと細かく言えば、歴史なら日本史、考古学、古代史、中世史、近世史、近代史、現代史、また、エジプト史、ギリシャ史、ローマ史などもあるでしょう。  美術なら絵画、彫刻、工芸品など。古代彫刻やルネサンス絵画、現代アートなど、それぞれの時代ごとの区分による場合もあるでしょう。

 軍事や平和、あるいは、船や車、鉄道、自動車、航空機、はたまた、特定の町や人物・・・。最近ではマンガやアニメなどといったものもあります。

 そして、これらの複合。それこそ、いろんな分野があるのです。「博物館」という名前以外の歴史館、資料館、民俗館、科学館、記念館、文学館なども、すべて「博物館」に含まれます。 そして、保管の中には、「育成」、つまり飼育や栽培なども含まれますので、動物園や水族館、植物園も「博物館」の範囲に含まれます。

 しかし、図書館は本を集めて多くの人が利用できるようにしていますし、公民館も多くの人が利用できるようにしていますが、これらは「博物館」ではありません。集めた資料を調査研究し、成果を発表したりしていないからでしょう。

 

3 博物館法などによる区分

 わが国には、先にも少し触れましたが、博物館法という法律があります。この法律などに基づき、「博物館」を次のように区分することができます。

 

区   分

説     明

館数(H20年度調査)

登録博物館

 地方公共団、一般社団法人、一般財団法人、宗教法人、法令で定める法人(日本赤十字社、日本放送協会)が設置する博物館で、その博物館がある都道府県の教育委員会の登録を受けた博物館。

907

博物館相当施設

 博物館の事業に類する事業を行う施設で、文部科学大臣や都道府県教育委員会から、博物館に相当する施設として指定を受けた施設。

341

博物館類似施設

 博物館の事業に類する事業を行うが、登録も指定も受けていない施設。

4527

 

 「登録博物館」と「博物館相当施設」については博物館法に規定があります。「博物館類似施設」は、文部科学省の統計などで使われている名称です。  博物館法では、これらのうち、登録博物館のみを「博物館」と規定しています。  そして、意外ですが、国立博物館(現在では一般に独立行政法人が設置)は、博物館法にいう「博物館」ではありません。博物館法が、もともと国立博物館を対象にしていなかったためです。現在では、文部科学大臣の指定を受け、「博物館相当施設」には、なれるようですが。  なぜ、博物館法は、国立博物館を対象としていなかったのでしょう。国以外の博物館に一定以上の質を求めるため、一定の水準を保つためだったのでしょうか。国以外は信用されていなかった?

 しかし、一般にいう「博物館」とは、登録博物館、博物館相当施設、博物館類似施設のすべてです。  また、博物館法では、設置別に次のような区分も行われています。

 

 

区  分

説     明

公立博物館

地方公共団体が設置する博物館。

私立博物館

一般社団法人、一般財団法人、宗教法人、政令で定める法人(日本赤十字社、日本放送協会)が設置する博物館

 

ここには、先の理由で「国立博物館」という区分はありません。  博物館を国も含めた設置者別で見ると下のグラフのようになります。

 

 

博物館グラフ

 

 大部分が、市(区)町村立だということが分かります。  ちなみに柏原市立歴史資料館は、博物館類似施設です。

ところで、「博物館」の専門職員になるには学芸員の資格(国家資格)が必要とされています。しかし、前に触れたとおり、国立博物館は、博物館法上の博物 館(登録博物館)ではないので、「学芸員」は必ずしも必要ではないようです。国立博物館では、それに代わって「教授」や「研究員」などが配置されている場合もあるようです。


(文責:宮本知幸)

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