史跡鳥坂寺跡関連の文化財説明板 史跡内など2か所に設置 市教委文化財課

2014年1月8日

 柏原市教育委員会文化財課は、このほど、史跡鳥坂寺跡(同市高井田)などについて解説し た文化財説明板を高井田第2公園内と同市健康保養センター、サンヒル柏原の敷地内テニスコート横の計2か所に設置した。高井田第2公園内は既存の説明板の 建て替えで、サンヒル柏原テニスコート横は新設。史跡鳥坂寺跡関連の説明版は、同寺の塔跡のある天湯川田神社の境内とサンヒル柏原正面入口付近に塔や鳥坂寺など河内六寺についての説明板が設置されており、同寺跡関連の説明板は今回の設置で計4か所となった。

 高井田第2公園は、史跡鳥坂寺跡の一部で、かつて鳥坂寺の食堂(じきどう)や僧房があった場所。サンヒル柏原は、同寺跡の隣接地で、テニスコート横から は鳥坂寺の金堂跡や講堂跡を一望することができる。このほど設置した説明板は、いずれもアルミの枠組み付きステンレス腐食プレート製で、幅約70センチ、 高さ約60センチ。同文化財課が平成19年度から設置しているものと同じ規格で、直径約8センチ、高さ約1.5メートルのアルミ製の支柱2本で支えられて いる。説明文と併せて写真なども表示している。

 高井田第2公園内には食堂跡や僧房跡についての説明板が建てられていたが、経年劣化により文字が全く読めなくなっていた。同寺跡が史跡に指定されたこと から、今回、建て替えを機会に、食堂跡や僧房跡だけでなく金堂跡や講堂跡なども含んだ寺跡全体についての内容に改めての設置となった。サンヒル柏原敷地内 の説明板は、同寺跡を始めとして、その周辺の集落跡なども含んだ広範囲の遺跡(高井田遺跡)全般について解説した内容。

 寺跡全体や広範囲の遺跡全般についての説明板は、当初、史跡指定地の整備と併せて設置することが検討されたが、その場合、設置まで年数がかかると予想さ れることから、見学者等からの要望もあり、今回の設置となった。設置場所も今後の史跡整備に影響を及ぼさないよう、すでに説明板が設置されていた高井田第 2公園内と史跡周辺地で史跡が一望できるサンヒル柏原の敷地内が選ばれた。サンヒル柏原のある一帯は、鳥坂寺と同時代の集落跡で、ほぼ全域が高井田遺跡に 含まれる。これらの集落は、鳥坂寺と何らかの関係のある人々の集落だったと考えられている。
 
 鳥坂寺は、「続日本紀(しょくにほんぎ)」に現れる河内六寺の一つ。奈良時代に孝謙天皇らが参拝したことで知られ、7世紀半ばから10世紀半ばまで存続し たと見られている。寺跡は、平成24年1月、国の史跡に指定された。現在、同市教育委員会では、寺跡の史跡公園化を目指し、専門の研究者らによる委員会を 中心に検討を進めている。  同文化財課では、「郷土の歴史を広くPRするため、今後も引き続き、文化財説明板の設置を進めていきたい」と話している。

 

鳥坂寺説明板1

鳥坂寺説明板3

鳥坂寺説明板2

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