社会事業の在り方を考える 春季企画展「柏原偉人伝 武田慎治郎」開催 柏原市立歴史資料館

2014年3月17日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)は、3月29日(土)から6月15日(日)まで、春季企画展「柏原偉人伝 武田慎治郎 ~高井田における社会事業の実践~」を開催する。午前9時30分から午後4時30分。月曜休館(月曜が祝日のときは開館)。入館無料。

 武田慎治郎は、明治元年(1868)福井県生まれ。警察官として曽根崎署長などを歴任した後、大正2年(1913)、大阪府立修徳館(現・「児童自立支 援施設・大阪府立修徳学院」)の館長となった。大正11年(1922)、同館の柏原市高井田(当時は中河内郡堅下村高井田)の現在位置への移転にかかわっ た後、公費による、いわゆる「不良・非行」少年などの感化教育(教護教育)に限界を感じ、大正15年(1926)、私財を投じて武田塾(現・「児童養護施 設・武田塾」)を修徳館の所在地と同じ高井田に開設。以後、昭和15年(1940)に72歳で没するまで、自ら理想とする少人数の家庭的な子育てを基本と した児童養護、少年教護教育など社会事業の実践に尽力した。まさに郷土の偉人というべき人物で、その教育理念は現在の武田塾にも受け継がれている。

 展示では、武田塾に残る当時の日誌や帳簿類などの文書、当時実際に同塾で使用されていた木製テーブルや椅子、卓上ミシンなどの日常生活用具、トランクや 山高帽など慎治郎の愛用品などを通じ、慎治郎の教育思想や慎治郎が目指した児童養護の理想に迫る。期間中、講演会や当時武田塾で撮影された映像記録の上映 会なども予定している。講演会と上映会の開催日時など、くわしくは、その都度、同市の広報誌やホームページなどに掲載される。

 同歴史資料館では、「展示や講演を通じ、改めて児童養護など社会事業のあり方を考えるきっかけになれば」などと話している。

 

武田塾 木造旧塾舎の復元模型も併せて展示
 同企画展では、平成11年(1999)に、移転に伴い取り壊された武田塾の木造旧塾舎の復元模型も併せて展示する。同市の市民歴史クラブ(長澤星二会 長・18人)の会員が製作した、幅最大約1メートル20センチ×奥行き最大約90センチ×高さ最大約50センチの木製で、実物の20分の1サイズ。建物の 内部まで、細部にわたって復元されている。  春季企画展「柏原偉人伝 武田慎治郎」について、くわしくは、同歴史資料館(072-976-3430)まで。

 

武田慎治郎展ポスター

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431