縄文絵画土器が語るもの 夏季企画展「縄文から弥生へ」開催 柏原市立歴史資料館

2014年5月30日

 柏原市立歴史資料館(同市高井田)は、7月5日(土)から夏季企画展「縄文から弥生へ - 船橋遺跡の縄文絵画土器が語るもの-」を開催する。同市の船橋遺跡から出土した縄文時代の絵画土器を中心に縄文時代から弥生時代への変化のようすを紹介す る。8月31日(日)まで。午前9時30分から午後4時30分。月曜休館(月曜が祝日のときは開館)。入館無料。

 今回展示する縄文絵画土器は、約30cm四方の土器片で、縄文時代晩期後半(約2800年前)のものとみられる。平成5年7月に同市古町地先、大和川河 川敷の船橋遺跡で、市民によって発見された。復元すると口径、高さともに約50cmの深鉢(ふかばち)になると推定される。土器の口にあたる部分に4つの 線刻画が描かれていることから、発見当時は「縄文の四コマ漫画」「縄文絵巻」などと呼ばれた。4つの線刻画は、高床式倉庫、鹿、水田、ゆぎ(矢を収める道 具)だと考えられるが、デザインの一種だとする説もある。縄文時代から弥生時代にかけての生活や文化を知るうえでの貴重な資料であることから、今年5月1 日付で同市の指定文化財に指定された。

 同企画展では、このほか、大阪府立弥生文化博物館所蔵の船橋遺跡出土の絵画土器、大阪市長原遺跡出土の土偶や石棒、東大阪市鬼塚遺跡出土の土偶(いずれ も縄文時代晩期後半)など、縄文時代から弥生時代にかけての変化のようすを考えるうえでの貴重な遺物の数々を展示する。開催期間中、「縄文から弥生へ」を 統一テーマにした、文化財講演会と市民歴史大学の開講も予定している。

 文化財講演会は7月12日(土)と26日(土)、市民歴史大学は8月9日(土)と 30日(土)の開講で、くわしくは、その都度、同市の広報誌や公式ホームページなどに掲載の予定。同歴史資料館では、「絵画土器に込められたのは、弥生への『思い』か、縄文の『誇り』か。展示を通じて、当時の情景や生活などを考えてもらえれば」などと話している。夏季企画展「縄文から弥生へ ―船橋遺跡の縄文絵画土器が語るもの―」について、くわしくは、同歴史資料館(072-976-3430)まで。

 

【船橋遺跡】

 縄文時代から室町時代ごろに至る複合遺跡。遺跡のある場所は、宝永元年(1704)の大和川付替え工事の結果、河川敷となった。川の流れにさらされ、遺物が露出するなどしていることから、釣り客など一般市民らによる発見も少なくない。

 

縄文からポスター

お問い合わせ

文化財課
582-0015 柏原市高井田1598-1(歴史資料館内)
電話072-976-3430
ファクシミリ:072-976-3431