柏原市教文化財課の石田主幹が福井市で講演 同市出身の武田慎治郎をテーマに

2014年7月25日

 柏原市教育委員会文化財課の石田成年主幹が、福井市清水南公民館(玉村啓二館長・福井県)で7月20日に開催された、同公民館まつりの郷土学習講演会で、同市清水南地区出身の偉人・武田慎治郎の生涯をテーマに講演した。同公民館の招きによる。

 武田慎治郎は、明治元年(1868)、福井県丹生郡天津村(現・福井市島寺町)の生まれ。大阪府曽根崎警察署長などを歴任した後、大阪府立修徳館(現・ 「児童自立支援施設・大阪府立修徳学院」)の館長を経て、大正15年(1926)、私財を投じて大阪府中河内郡堅下村高井田(現・柏原市高井田)に武田塾 (現・「児童養護施設・武田塾」)を開設した。公費による少年の感化教育(教護教育)に限界を感じたためという。その後、昭和15年(1940)に72歳 で没するまで、児童養護、少年教護教育などの社会事業の実践に尽力した人物。こうした功績を顕彰するため、柏原市教委は、石田主幹の担当で、今年3月から 6月に同市立歴史資料館春季企画展「柏原偉人伝 武田慎治郎 ~高井田における社会事業の実践~」を開催した。石田主幹は、同企画展の開催に先立ち、武田 慎治郎の調査などのため、清水南公民館を訪れるなどしていた。武田慎治郎は、早くから故郷を離れ、その後、大阪で活動していたためか、石田主幹の訪問当 時、清水南地区で武田慎治郎を知る人は、ほとんどいなかったという。石田主幹の調査がきっかけで、郷土の偉人が再認識されたかたち。

 清水南公民館では、同地区の幅広い世代の人々が「出会い、ふれあい、学びあう」イベントとして、毎年、公民館まつりを開催しており、この機会に地元出身 の偉人の功績を学ぼうと、今回の郷土学習講演会の開催となった。郷土学習講演会の会場となった同公民館1階多目的ホールには、約80人の聴衆がつめかけ満 員の盛況だった。同公民館まつりでは、郷土学習講演会のほか、模擬店や市民の作品展示、自主グループによるステージ発表なども行われ、終日にぎわった。

 講演した石田主幹は、「武田慎治郎は、いわば柏原市と福井市共通の『郷土の偉人』。慎治郎を通じて、両市市民のふれあいを深めることができれば」などと話していた。

 

石田主幹講演

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