地すべりでの崩壊を免れた奇跡のトンネル 一部区間が約80年ぶりに偶然発見 旧大阪鉄道亀の瀬トンネル

2014年6月30日 (文化財課)

 JR関西本線の河内堅上駅~三郷駅間の大和川北岸、大阪府柏原市峠の、通称亀の瀬地区に旧大阪鉄道の亀の瀬隧道(ずいどう:トンネル)がある。

 亀の瀬トンネルは、大阪と奈良を結ぶ最初の鉄道として大阪鉄道が敷設した関西本線のトンネンルで、明治25年(1892)に開通した。開通当時の延長は、約450メートル。煉瓦積み構造で、断面は馬蹄形をしており、高さは約4.8メートル、最大幅は約4.3メートルある。このトンネルは、その後、昭和6年(1931)から7年(1932)にかけて同地区で発生した大規模な地すべりで崩壊したと思われていた。何らの痕跡も残されていないことから、いつしか「幻のトンネル」と呼ばれるようになっていた。

 ところが、それが、平成20年11月、国土交通省による地すべり対策のための排水トンネルの工事中、約80年ぶりに偶然発見されたのである。約60メートルの区間が、奇跡的に崩壊を免れていたのだ。

 亀の瀬トンネルは、側壁がイギリス積み、天井のアーチ部分が長手積みと呼ばれる工法で煉瓦が積み上げられている。当時の鉄道トンネルの建築工法を知るうえでの貴重な資料であり、交通史や災害史を語るうえでも欠かせないことから、煉瓦積み構造がはっきりした形で認められるなど原形をとどめている約45メートルの範囲が、平成25年2月2日付で柏原市の指定文化財(土木構造物)に指定された。2月2日は、明治25年にトンネルが開通した日である。

 同区間の関西本線は地すべり後の昭和7年末に大和川南岸に敷設しなおされており、同地区での地すべり対策工事は昭和37年(1962)から国の直轄施工となって現在も続けられている。

(文責:宮本知幸)

 

亀の瀬トンネル

 

旧大阪鉄道亀瀬隧道
柏原市指定文化財

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